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ようこそ情報基礎数学専攻へ
情報基礎数学専攻では、最先端の数学を深化させ、それを基礎として情報科学をはじめとした科学の新しい分野を切り拓くことを目指して研究を進めています。
本専攻は、教授定員6名、准教授定員6名、博士前期課程定員が各学年12名、博士後期課程定員が各学年5名の小さい専攻ですが、それだけに学生と教員の距離が小さく、充実した研究指導を受けることができます。 研究分野は様々で、数学の基礎研究から応用研究まで幅広く研究されています。快適な環境の中で、教員も学生ものびのびと研究生活を送っています。
緑が多く広々とした吹田キャンパスは、大学院、研究所、附属病院が多く、静かで落ち着いた雰囲気です。情報科学研究科の敷地内には、コンビニや食堂、レストランが併設されており、研究交流や共同研究および研究集会の際にも便利です。
本専攻は、2002年に情報科学研究科が発足した時、理学研究科数学専攻を母体として設立されました。以来、理学研究科数学専攻とは、学部教育、4年生セミナーなどにおいて、密接な協力関係を保っています。
本専攻の多くの大学院生は、学部教育からの発展として、数学の基礎研究に取り組んでいます。一方、情報科学研究科でのイベントに参加すると、大きく進化していく情報システム、情報通信、社会実装などの研究紹介から、社会の未来像と変化のダイナミクスが感じられます。数学的知識と思考力を基に、情報科学を通して社会課題を解決したい方にも適した環境です。
本専攻では、研究の理想郷を目指して、研究・教育・運営業務の改善が重ねられて来ました。国際競争には、研究に十分な時間を取って業績を上げていくことが必須です。満足感と誇りをもって研究に打ち込める環境の整備を進めています。
大学院博士前期課程入学後は、各指導教員の下で研究を進めていきます。1年後に中間発表会が開催され、2年後に審査会が開催されます。これらを通じて、自身の研究とその意義を分かり易く伝える能力が鍛え上げられます。学部卒業時から飛躍的に進化する点の一つです。博士後期課程に進む方は、更に3年を費やして独立した研究者として成長していきます。早くに業績を上げて短期で修了する方もいます。
本専攻での学位は、「理学」、「情報科学」、「工学」から選ぶことができます。数学科を卒業して、数学の基礎研究を続けた場合は「理学」が一般的です。
本専攻の修了生は、大学等の研究機関における研究者をはじめ、IT、製造業、金融、保険、教育など幅広い分野で活躍しています。情報科学系出身者に対する良好な就職環境の中で、関連する数学的基礎知識と思考力は、本専攻出身者の強みです。
数学的思考力は、すぐに役立たなくとも、長く役立ちます。微分幾何学の相対論への応用、整数論の情報通信への応用、確率微分方程式の金融への応用など、数学は一旦応用されると社会を変革する力を有しています。学部ではほぼ完成された数学を学びますが、大学院では「今まさにここで」数学が出来上がっていく生の研究現場と、未来への心躍る期待感を、研究者と一緒に感じてもらいたいと思います。興味深いことに、一つが分かると分からないことが複数生まれるはずです。まだ知られていない知らないことがあることを知るでしょう。
皆さんと一緒に研究することができる日々を心より楽しみにしています。
大阪大学 大学院情報科学研究科
情報基礎数学専攻
専攻長 中村 誠